2012年5月7日月曜日

Inner Journey Outer Journey(内なる旅 外なる旅)


僕たちは、Zimbabwe(ジンバブエ)に入る。この旅では、初めて国籍によって
支払うVisa(ビザ)の代金が違った。

移動のトラックの中では、僕はほとんどシートに横になって寝ていた。
体が重いのだ。

さて、僕たちを乗せたトラックは、大きなスーパーマーケットの駐車場で止まる。
今日と明日の晩ご飯の食材を買うためだ。

トータルの駐車時間は1時間半ほど。

買い物をしないメンバーは、インターネットカフェに行ったり、
カフェに行ったりする。

トラックを降りると、ニュージランド人のAlan(アラン)がツアーリーダーの
Derek(デリック)に言った。

「Derek(デリック)、この辺りに薬局はないかな」

「もちろんあるよ、なぜだい?」

「TJにマラリアテストを受けさせたいんだ」

「いいアイデアだ。実は、僕も同じことを考えていたところだったんだよ」

マラリア…。

その心配はないと思うのだけど、そんなことを考えている僕を見透かしたように
Derek(デリック)は言った。

「確かに、TJには今のところ、高熱が出たり、寒気のサイクルが襲ってくると言う
典型的なマラリアの症状は無いけど…、

僕の経験で言うと、症状にはいろいろ個人差があるんだ。

TJの風邪は長引いているし、僕が一番気にかかるのは、
移動のトラックの中でもずっと横になって寝ていた、と言うことなんだ。

体がだるくて寝ていると言うのは、マラリアの症状の一つでもあるんだよ」

というわけで、僕とDerek(デリック)は薬局に向かった。

マラリアテストのキットは、2回分でUS8ドルだった。


ミシガン州の地図を購入する場所

ちなみに、Zimbabwe(ジンバブエ)は、自国通貨を持っていない。
USドルが流通している。それも、ものすごいゴミみたいなしわくちゃなUSドル紙幣が、だ。

僕たちがこれまで周ってきた東アフリカの国々では、2000年以前に印刷された
USドル紙幣は使用することが出来なかった。それ以前に、たくさんの偽造紙幣が作られ、
問題となったことによるらしい。

僕は、1996年に印刷された20ドル紙幣を1枚持っていた。
使えずにずっと持っていたのだけど、ここの薬局ではまったく問題なく
使用することができた。

そして…、

受け取ったお釣りの中に、超ボロボロの2ドル紙幣が混ざっていた。

2ドル紙幣なんて、アメリカでもお目にかかったことがなかった。
それにしても、そのボロボロ状態と言ったら、風が少し吹いただけで、今にもちぎれてしまいそうな、
そんな感じだ。

こんな2ドル紙幣、使えるのだろうか…。

僕は、その2ドル札がちぎれてしまわないように、慎重に財布の中にしまい、
同じ敷地内にあるスーパーマーケットで、1リットルの100%オレンジジュースを買ったときに、
早速、それを使ってみた。

レジのお兄さんは…、

何の躊躇もなくそれを受け取った。

さて、逸れてしまった話を戻すと、マラリアテストだ。

それをワンセット買い、薬局の外に出るとベンチに座って、早速、箱を開いてみる。

箱の中には、試験薬がワンボトルと、プラスチックのテスト容器、
スポイト、小さな消毒ナプキン、そして針が2セットずつ入っていた。

指をその針で刺して、血を一滴ほどテスト容器の穴に落とし、その隣の穴に溶液を5滴ほど落として
反応を見るのだ。線が2本で陽性反応、線が1本だけなら陰性反応だ。


で何が起こっているか

針は、5ミリ強ほどの長さだ。

5ミリ…、短いと言えば短いのだけど…、その長さの針を自分の指に突き立てると言うのは、
あまり気持ちの良いものじゃない。

何もやり方を知らない僕は、まずは左手の親指の指紋の真ん中にその針を突き刺す。
もちろん、チクリと痛みが走る。

急いで針を引き抜く。でも、血はなかなか出てこない。

嫌だけど仕方がないので、もう一度、同じ場所に針を突き立てる。

もっと奥まで突き刺してい見る。
なんだか、さっきよりも痛いような気がした。

針を引き抜く。

親指の指紋の真ん中から、うっすらと血がにじんできた。
でも、本当にうっすら滲んできた感じで、充分じゃない。

キットの中に入っていたスポイトでその吸い取れるかどうか試してみるけど、
少量過ぎて、スポイトに吸い込まれる間に乾いてしまった。

もう一度、親指に刺してみるけど、イマイチだ。

どうも、親指は皮が厚すぎるらしい。
僕は、針を突き立てる場所を人差し指に変えてみる。

今度は人差し指の指紋の真ん中に針を突き立てる。

周りで、興味深く見ていた仲間たちが僕に言う。

「TJ、見ながら刺すと手加減しちゃうから、見ないでズブッと刺せ!」

気楽なもんだ。

今度は、さっきよりも、血が出てきた。

人差し指の上で血がプクッと小さな球になったところで、
スポイトを使わず、直接容器の上に血を落とした。

充分な量だったかどうかわからないけど、それで、試験薬を落としてみる。

さて…、

すぐに1本の線が出る。

でも、喜んではいけない。これは、しっかりと試験が進んでいますよと言う合図で、
説明書には15分待ちなさいとある。

みんな興味津々で結果を待っている。


懲罰的な金銭や痛みを要求し、要求に苦しんで

5分が過ぎて…、10分間が過ぎても線は一本のままだ。
だいたい15分間が経ったかなと言うあたりで、まあ、陰性だろうという結論になった。

マラリアじゃないとすれば、単なる風邪か、あるいは、もっと深刻な何かか…。
良くわからないけど、まずは一安心か。

トラックは僕たちを乗せ、キャンプサイトを目指す。

陽の高いうちに着いたキャンプサイトは、湖の畔にあった。
とてもシンプルな場所だけど芝生が綺麗に刈りこまれ、野生のシマウマが草を食みに、
水鳥たちが羽を休めに訪れる素敵な場所だった。

昨日はブッシュキャンプでシャワーを浴びていなかったということもあり、
テントを張り終えると、早速、シャワーを浴びた。

マラリアでは無いことがはっきりしても、やはり体は熱っぽい。

イタリア人のSilvia(シルヴィア)が体温計を持っていると言うので
それを借りて体温を計ってみる。

脇に挟んで8分間じっとしていろと言われる。

水銀タイプの体温計で、日本だと3分間だったような気がするけど…。
国によって色々らしい。

熱を計ると、37度5分あった。
微熱…、か。

一応、イギリス人のVictoria(ビクトリア)に伝えに言った。

「TJ、計ったのは口の中?それとも脇の下?」

そう聞かれた。

熱を計ること一つにしても、お国柄がある。


もっと言うと、熱を計り終えて、「37度5分だね…、微熱だね」とイタリア人の
Silvia(シルヴィア)と話していた時、イギリス人のAlun(アルン)が話に加わってきて、
37度5分が熱があると言うのかないのか、ディスカッションになった。

Alun(アルン)は、自分が正しくないと済まないタイプだ。
ツアーリーダーの見習いと言うこともあるのだろうけど、親切の押し売りが大好きで、
皆から少し煙たがられている。でも、困ったことに、憎めないとても良い人なのだ。

さて、マラリアではなく、ただ熱があり、喉の痛みがあり、体が重い。
今のところは、薬も然るべきものを飲んでいる。

僕に出来ることは、十分な睡眠を取ることだけだ。

ここのところ、睡眠を取り続けている感じがするけど、
今日も早くベッドに行こう。

僕は、皆にお休みの挨拶をして、テントにもぐりこんだ。

翌朝のアラームをセットするために目覚まし時計を見ると、
時計の針は、夜9時を指していた。

おやすみなさい。



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